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VISION村田大造×DJ DARUMA&JOMMY鼎談…テックハウス、EDGE HOUSEの未来は?

今年2月に渋谷SOUND MUSEUM VISIONでスタートしたハウス・テックハウス特化型パーティー「EDGE HOUSE」。毎週土曜日、国内外から様々なゲストを迎え開催されるなか、そのレジデントとして獅子奮迅の活躍を見せているのがDJ DARUMA&JOMMY。

EDM以降、多種多様なサウンドが割拠する世界のシーンにおいて、今最も注目を集めているのがテックハウス。とはいえ、そのサウンドが何なのか、説明できる人は……。

そこで今回は、DJ DARUMA&JOMMYに加え、「EDGE HOUSE」の発起人の1人、VISIONのオーナーでもある、株式会社グローバル・ハーッの代表取締役:村田大造さんを交え、テックハウス、そして「EDGE HOUSE」について語ってもらったのだが……さすが百戦錬磨の男たち。テックハウスの話はもちろん、パーティーやクラブのいろはに楽しみ方、若いアーティストへのアドバイスなどなど貴重な話が満載……確実に必見!

ゼロからのスタート…EDGE HOUSEは新たなチャレンジ

EDGE HOUSEは新たなチャレンジ

——スタートから約半年、「EDGE HOUSE」の反響はいかがでしょう?
DJ DARUMA:フロアのバイブスは当初に比べてかなり高くなっているし、毎週どんなDJが出演するのか、みんなチェックしてくれている感じはありますね。あとは、インターネット、SNSに書き込む層……僕はよく“壁際BOYS”って言っているんですけど、彼らの支持も増えてきたかなと。それって結構重要だったりするんですよ。課題としては、お客さんの波をどう作ってくのか、そこはもっと考えていきたいですね

JOMMY:草の根的な活動は少しずつできていると思うんですけど、まだまだ。いかにより多くのお客さんに伝えていくか、今からですね

「今年からVISIONを大きく方向転換した」と語る村田大造

——そもそもなぜ「EDGE HOUSE」はスタートしたんでしょう?
村田大造:去年まではEDMとヒップホップが中心でしたが、今年からVISIONを大きく方向転換したんです。テックハウス系の『EDGE HOUSE』、そしてテクノ中心の『ALIVE』に。やはり音が変われば、内装や設備、ブッキングも変えていかなければいけないし、仲間も必要。まさにゼロからのスタートなんですよ。でも、続けていく中で『EDGE HOUSE』的な音をやりたいと思っていた人がついてきて、少しずつ仲間が増えている感じはすごく感じる。僕らとしてはそれだけでもやってよかった。新しい方向性、チャレンジしていく精神、気持ちを出せたと思いますし。同じことを繰り返すのではなく、自分たちがやりたいことをやる……ただ、それは1人ではできないので、仲間を増やし、ブレずに信頼を得ながら進む、それはできているのかな。まだまだこれからですけど、我々の姿勢、本気度は伝えられたと思いますね

——毎週開催するというのはスゴイですよね。大変ではないんですか?
村田大造:方向転換しようと思ったときに、月に1回では何も変わらないというか、焼け石に水。どうせやるならやるだけやる、と今年の頭に決めたんですよ

DJ DARUMA:毎週開催となって、僕らが一番驚きましたけどね(笑)。DJをする分には僕は毎週オープン〜ラストでやりたいぐらいなので、不安やストレスはないんですけど……やっぱり自分のパーティーとなると様々な問題があるんですよね。集客やラインナップ、海外のゲストも生で聴くのは初めての人が多いので、『EDGE HOUSE』にしっかりとフィットするのか、メイン以外のフロアはどうなのかとか。今は自分がフロアに立って、装飾やVJの位置、照明のタイミングまでトータルで見ていて……パーティーを作ることの大変さは毎週感じています

村田大造:今まで多くの店舗を手掛けてきましたけど、お店だって同じなんです。最初はゼロから。まずはみんなが集まってやりたいことをやって、そこから試行錯誤していく。いろいろすりあわせしながら仲間意識みたいなものが形成されていくんですよ。そして、それは一度にはできないものなんです

——逆に、毎週開催することのメリットは?
JOMMY:やっぱり、パーティーの世界観や雰囲気を作っていきやすいですよね。そして、実際それは徐々に伝わってきたと思うし。今まで発表の場がなかった人たちが声をかけてくるようになってきて、今後はもっともっと仲間を増やしていきたいですね

世界が注目するテックハウス…得体が知れない面白さ

世界が注目するテックハウス

——「EDGE HOUSE」の核となるのは“テックハウス”ですよね。それはどんなサウンドだと定義していますか?
DJ DARUMA:テックハウスという呼び方は、現状ではあくまで便宜上のものというか……得体が知れないものだと思うんですよ。でも、それが面白い。説明のつかない面白さというか、実態がない感じなので、何でもありなのかなって思うんです

——音楽的な定義はない?
DJ DARUMA:20年以上前から続くテックハウスは、暗い中で黙々と踊るようなテクノの延長線上……ハウスとテクノの中間にあって、言ってみれば渋い音楽だったと思うんです。でも、今僕らが考えているものは、もっとある意味バカっぽい。それだけに、パーティーの雰囲気を含めた“テックハウス”を表現したいんですよ。何だかよくわからないけど面白いみたいな感じ。これまでEDMだったものが、海外では今、いわゆるテックハウスと呼ばれるゾーンに移行してきていると思うんですけど、それをパーティーを通して表現する=『EDGE HOUSE』に来ればなんか面白い……そういった雰囲気や世界観を含めた集合体がテックハウスっていう認識になればいいなって思ってます

——ジャンルというより、もっと感覚的なものということ?
DJ DARUMA:そうですね。しかも、それをテックハウスって言ってしまってる面白さ(笑)。正直、僕自身最初は抵抗があったんですよ。昔のテックハウスも知っているだけに。でも、考えてみたらEDMだって得体がしれない、トラップもトロピカルハウス的なサウンドもEDM、僕の中ではパーティーの体感を含めてEDMなんですよ。テックハウスも同じで、音楽だけで言えばテクノもOKだし、ソウルフルなハウスだってアリだと思います

村田大造:ロック、スカ、レゲエ、そしてヒップホップ、テクノ、ハウスと様々な音楽が生まれては、その中で細分化していく。それぞれを突き詰めて、個性を出していかなくてはいけない世の中で、パーティーを拡大するためにはより多くの人を飲み込んでいく必要性がある。そのための要素が、ここ数年はEDMであり、ヒップホップだと思うんですが、次の時代を読んだときに、今『EDGE HOUSE』でやっている音楽性が、EDMやヒップホップなどの他ジャンルからの窓口としては一番入りやすいのかなと思ったんですよ。新しい提案をしていく中で、VISIONとしては多くの人を楽しませなければならない、そのためにはテックハウスがベストなんじゃないかなと

DJ DARUMA:5月にラスベガスの『EDC』に行ったときに思ったのが、今のフェスのメインストリームはフューチャーベースとトラップ。メジャーにいけばヒップホップが若者の心を掴んでいることは間違いない。でも、フェスを仕掛けている側は、ここ数年で新しい展開を始めているのをすごく感じるんですよ

様々なジャンルを飲み込み週末フェス化!

様々なジャンルを飲み込み週末フェス化

——それがテックハウスなんでしょうか?
DJ DARUMA:いわゆるEDMはグルーブ感よりも瞬発力、一時間のセットで何度波を起こして盛り上げられるかといった楽しみ方があるんですが、彼ら仕掛けている側がもう一度グルーブに立ち返らせようとしているのを感じる。まだメインにはなっていませんが、次に控えていることは間違いないと思っていて、それがハウスであり、テックハウスであり、トランス。それを今やることが大事なんですよ。日本、ひいてはアジアには『EDGE HOUSE』があるぜ! って言えるように準備している感じです

JOMMY:アジアでもまだその部分にフォーカスした目立ったものがない。テックハウスに特化しているパーティーもない。それだけに今がチャンスだとも思っています。あとは、今これだけフェスが一般化してきたなかで、『EDGE HOUSE』、VISION自体ももっともっとエンタメ化させていきたい

DJ DARUMA:フェス感を出していきたいよね。“週末フェス化”みたいな

JOMMY:メインフロアでは『EDGE HOUSE』のテックハウス、他のフロアでは様々なジャンルの音楽がある。それってまさにフェスみたいな感じだと思うし、『EDGE HOUSE』と言わずにVISIONに行けば楽しめる……そんな感覚になってもらえればなと。そうすることで自ずと『EDGE HOUSE』自体も盛り上がるし、ダンスミュージックシーンの広がりも出てくると思うんです

紙吹雪が舞い盛り上がるフロア

——VISIONは4つのフロアがあることが強みですしね。
村田大造:ダンスミュージック自体、ひとつのものからできているわけではなく、音楽やカルチャー様々なものが絡み合ってできているんですよ。それだけに、いろいろな部屋があって、いろいろな人がいて刺激し合うことで、新しいものが生まれてくる。パーティーをワンジャンルで固めるのもひとつのやり方だけど、シーンを変えていく、より多くの人を飲み込んでいくためには、様々なジャンルの力が必要不可欠だと思います

——アーティスト同士交流が生まれると同時に、お客さんも新しい音楽に出会えますしね。
DJ DARUMA:それはパーティーの外でも考えていて、まずは僕らのショートミックスをアップして、その後レーベルを立ち上げる予定です。すでに準備はほぼ整っていて、あとはタイミング待ちみたいな状態だったりするので、今後は僕らから積極的に発信していこうと思っています。ようやくパーティーの基盤とリズムができてきたので、次はアウトプットを増やしていかないといけないなと

村田大造:日本人は“魅せる”ということが苦手。いいものを作るんですけど、職人気質なんですよね。それに、自画自賛することが美徳ではない文化でもあるし。でも、見せ方やプロダクション的な能力をあげていかないと世界では戦えない。まずは国内でその部分を高め、海外へと向かう姿勢を見せてほしいですよね。アジアは今、すごく注目されていると思うんです。市場的にも未開発な部分があり、日本、韓国、中国では状況は違いますが、すごいスピードで進化し、何かが生まれている。それを世界中のみんなが見ていると思う。確実に期待されているので、今後はより魅せていく、伝えていくことが大事だと思います

JOMMY:東京、日本って、まだまだ大きなポテンシャルがあると思うんです。なので、まずは国内でもっと横の繋がりを作っていく、『EDGE HOUSE』がそのハブの役目を担っていきたいのです

DJ DARUMA:若い人から年配の方まで、多くの人が曲を送ってくれるようになって、これが機能してくれば状況はまた変わってくると思うんですよ

——やっぱり、アーティストは今の時代、曲を作ることが大事なんでしょうか?
DJ DARUMA:大事ですね。むしろ作らないといけない

村田大造:特に若い子はもっと作るべきだと思いますよ。ハウスは特にそこが停滞している感じがあって、昔のものを大事にし過ぎている。それはそれでいいんですけど、もっと自分たちの世界観を作ってもいいと思うんですよね

DJ DARUMA:若い人だけじゃなく、それこそDEXPISTOLS時代の友人、EDMにはなじめなかった人たちがまた戻ってきている感じもしていて、盛り上がりはすごく感じるんですよね。僕らはその旗ふり役というか、“みんな何かやろうぜ!”って外に向けて旗をふっていかないといけないなって思ってます。テックハウスって、ハウス、テクノファンだけじゃなくBボーイも巻き込める可能性がある。フォーマットとしてのハウスは必要ですが、音楽的にはヒップホップっぽくてもいいし、テクノっぽくてもいい、自由なんですよ。そこはもっと打ち出していきたいですね

「EDGE HOUSE」、VISIONの今後は…

「EDGE HOUSE」、VISIONの今後

——「EDGE HOUSE」は最終的にどうしていきたいですか?
DJ DARUMA:僕の勝手な野望ですけど、パーティーは全国でフランチャイズ化したい。要は内装を送り込んで、その世界観を各地で体現する。ハウス・テックハウスという言葉を使うと難しいと思うので、『EDGE HOUSE』=何か東京でやってる面白いパーティーがやってくるぞ、みたいな感じで各地に持っていきたい

——スペイン発、世界で人気のパーティーelrowみたいな感じですね。
DJ DARUMA:まさにそれです。Elrow方式で、まずは年内に大阪で開催を予定していて、その後には札幌、名古屋、福岡とやっていきたい

——2人は全てのパーティーに参加するんですか?
DJ DARUMA:最初はしますけど、参加しないところまで持っていけたら最高ですね。そして、同じフォーマットでアジアへも持っていきたい。韓国はすでにやりたいという方がいるので。東京でやっていることってみんな見ていて、面白そうなもの、パーティーって他の場所でもコミットしやすいと思うんですよ。最初から成功するとは思っていませんが、やることに意味がある。やることで東京に対するフィードバックも必ずあると思うんです。僕はパーティー、レーベル、アーティスト、全て含めて『EDGE HOUSE』をブランド化していきたい。VISIONを拠点にどこまで世界に押し広げられるか挑戦していきたいと思ってます

JOMMY:そこは僕も同じ考えです。ただ、外への展開と同時に、ベースである東京をもっと熱狂させたい。一番大事なところですし。そこのクオリティをさらにあげていきたい

——大造さん、VISIONを含めた今後の展望を教えてもらえますか。
村田大造:今年はVISIONで新しいものを始め、その象徴が『EDGE HOUSE』。当初から苦労する覚悟を決めてスタートしているんですよ。2019年はチャレンジの姿勢を見せる年。そして、来年はオリンピックを控え、外国人客もさらに増えるなか、僕は“東京なめんなよ”ってプライドをみせていきたい。そのためには、もっとみんなが力をあわせてやっていかないといけない。その基盤を作る、体制作りが今年だと思っています。あとは、僕は箱(クラブ)を作っていくのが仕事なので、もちろん新しい店舗も考えています。音楽業界が商業ベース、興行重視になり、その背景には様々な要素があると思うんですけど、クラブの本来の目的は別のところにあると思うんです。クラブならではの魅力、様々な人種が集まるクラブでしかできない場所作り、それができないなら存在意義がないと思うので、僕はそこにこだわってこれからもやっていきたいですね

今後の「EDGE HOUSE」をチェック!

今後の「EDGE HOUSE」をチェック!

「EDGE HOUSE feat. JACKY」

EVENT INFORMATION

2019年8月24日(土)

OPEN:22:00

東京・渋谷SOUND MUSEUM VISION

前売¥2,500 当日¥3,000

HOUSE

ACT:JACKY, DJ DARUMA (PKCZ®) & JOMMY, CARTOON, KENTACATS, keith and more


「EDGE HOUSE」

EVENT INFORMATION

2019年8月31日(土)

OPEN:22:00

東京・渋谷SOUND MUSEUM VISION

前売¥2,500 当日¥3,000

HOUSE

ACT:DJ DARUMA(PKCZ®)&JOMMY, CARTOON, Mr.TAKAHASHI, TOMOYA, JUNYA UTSUNOMIYA, DIRTY TIGER and more


「EDGE HOUSE feat. AMINE EDGE&DANCE」

EVENT INFORMATION

2019年9月7日(土)

OPEN:22:00

東京・渋谷SOUND MUSEUM VISION

前売¥2,500 当日¥3,000

HOUSE

ACT:AMINE EDGE&DANCE, DJ DARUMA(PKCZ®)&JOMMY, KENTACATS, TOMOYA and more

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